心不全・心臓リハビリテーション班

心不全・心リハ班は心臓移植や重症心不全に対する植込型左室補助人工心臓の管理から心臓リハビリテーションまで幅広い分野を担当しています。藤田医科大学病院は東海地区で植込型左室補助人工心臓の実施ができる5病院の一つとして、院内で補助人工心臓の植え込みや管理ができる体制を整えて、難治性心不全で困っている多くの患者さんを救うことを目標に取り組んでいます。

毎週水曜日は院内多職種心リハチームカンファレンスを行い、心不全やACS, 重症不整脈で入院した患者さんが退院後に再燃して再入院しないために日常生活で注意してもらう点や必要な医療福祉サービス等について、多職種で議論しています。日本循環器病学会などで大学病院CCUでの早期心リハ導入の取り組みが退院後6ヶ月以内の再入院を抑制できることを示すデータなどを全国に向けて発信しています。また、週末心不全教育入院プログラムや心不全パスを作成し、地域連携の強化にも積極的に取り組んでいます。

心不全や心筋症の診断や重症度評価マーカーとしての血清miRNAの有用性、スマートウオッチによる心不全診断を目指したホルター心電図の機械学習に基づく検討、心リハ早期導入による予後改善効果に関する検討、心不全の自然経過における心ポンプ機能と骨格筋障害の関与に関する検討、劇症型心筋炎や広範な急性心筋梗塞などにより高度に心機能が障害されV-A ECMOや循環補助用ポンプカテーテルなどを用いた機械的循環補助による治療が必要になった場合の循環管理方法の開発、心不全急性期の栄養療法が予後に与える影響についての研究、ITを活用した遠隔心リハプログラムの開発など、急性期治療成績の改善のみならず健康寿命の延伸を目指した研究を科研費等の競争的資金も得ながら実施しています。

心不全は循環器疾患すべてに関連し、また周術期に問題になることから、循環器内科や他科の多くの先生との連携が必要で、良好なコミュニケーションを維持して心不全の患者さんを幸せにしたいと考えています。